国造神/コタンカラカムイ

soulbeauty.net(2007.10.07 OA)

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 その昔、アイヌの神々が世界を創ろうと思い立った時のお話です。

 国造神/コタンカラカムイが命じられて、 はるかな天界から、 春楡の鍬と春楡の叉木を持って下りてきたそうです

 コタンカラカムイは、指先で川をつくり、爪先で谷をこじり、立派な大地をつくりあげました。

 仕事を終えると、コタンカラカムイは大雪山の頂で、春楡の木に座って地上を見下ろし、ほれぼれと世界を眺めました。

 「我ながら上出来だ。

  うねうねと連なる山、長々と流れる川、泥の平原に木も植え、草も生い茂った。

  なんと、いい眺めではないか」

 けれども眺めているうちに、何かが足りないような気がしてきました。

 「なんだろう? 

  何かをつくり忘れた気がしてならない。

  はて、何をつくればよいのだろうか?」

 いくら考えても分かりません。

 国造神コタンカラカムイは、日が暮れてから夜の神に命じました。

 「私は世界をつくったが、何かが足りない気がする。

  お前の思いつくものをつくってみてくれ。」

 夜の神は困りましたが、首をひねりながら足元の泥をこね回すうち、泥の人形のようなものが出来上がりました。

 「これだ!」と思った夜の神は、柳の枝を泥に通して骨にして、頭にはハコベを取って植えました。

 「それでは息を通わせてみよう。」

 夜の神が扇で扇ぐと、泥は乾いて肌になり、頭のはこべはふさふさと髪の毛になり、二つの目は星のように輝いてパチパチと瞬きました。

「これでよい。では、十二の欲の玉を体に入れてやろう。」

 食べたい、遊びたい、眠りたいなどの十二の欲を与えると、ようやく完全な人間が出来上がりました。

 けれども、生まれた人間たちは年を取るばかりで、いっこうに増えていきません。何故ならば、夜の神がつくった人間はみんな男ばかりだったのでした。

 殖えることの出来ない人間は、だんだん死んで減っていくばかりです。これでは勿体無いと思ったコタンカラカムイは、昼の神に頼んで別の人間を作らせることにしました。

 「宜しいですとも。

  私は、昼の輝きのように美しい人間を作ってみせましょう。」

 そうして昼の神がつくった人間が、女だったのです。

 この世界に男と女が一緒に暮らすようになると、どんどん子どもが生まれて、人間は段々に数を増やしていったのでした。

 こんなわけで、男の肌が浅黒いのは夜の神の手で作られたからで、女の肌が白いのは昼の神の手で作られたからなのです。

 そして、人間が年をとると腰が柳のように曲がるのは、柳の木を背骨に使ってあるからなのです。

 コタンカラカムイは後になって後悔して、「やはり丈夫な石で作るにこしたことがない」と思い直しました。

 そこでカワウソを使者に立てて、急いで下界に派遣しましたが、カワウソは途中で沢山魚のいる沢に差し掛かった時に、使命を忘れて夢中で魚を追いかけました。そのために伝令は間に合わず、カワウソは怒った神に頭を踏みつけられて、扁平な顔になってしまったのです。

 もしも人間が石で作られていたのなら、人間は朽ちることのない命を持つことが出来たでしょう。

 けれど、木でつくられたおかげで、人間は木のように後から後から生長して増えることが出来るようになったのです。

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