Cさま
+
おとといのBBQ、一緒に参戦できなくて本音はちょっと寂しかったけど、
もしかしたらやっぱり私一人で行くべき会だったかも知れないとも思ってた。
行ってみたら27人も集まっていて面食らいもしたし、
全員がキッシーから直接招待された人ばかりだったし、ね。
あ、27人っていうのは私が勝手に数えたの。
だって半分以上が互いに初対面なんだもの。
順番に自己紹介する時間があって、
それぞれの話を興味深く聞きながら心の中で数えてた。
火は人を饒舌にするのかな。
みんな臆することなく問わず語りを重ねて、
誰もがそれに聞き入っていた。
このまえ「フィルターバブル」の話をしたけれど、
人は誰もが本来ヒキコモリで、
誰もがフィルター越しに世界を隔てながら連なっている。
そして、フィルター越しに連なりながら、
ときおり共感や共鳴が訪れて一体感の幻想に酔いしれたりもする。
一体感の幻想に酔いしれると、夢や希望や理想が増幅される反面、
不満や不安や不条理を仮想の敵に仕立て上げたりもする。
ヒキコモリもヒキコモリなりに世界と繋がろうとする思いは本能で、
ただその方法が不器用だってだけのことなんだよね。
そういう意味で、
BBQに集った27名は見事に全員が不器用だった。(キッシーも含めて)
ただし27名全員が、自分の不器用を愚痴らなかった。
それゆえ、
27名の不器用さはそのまま全てがそれぞれの個性として昇華されていた。
みんなほとんど初対面どうしなのに、不思議でしょ?
もちろん炭火で焼いた肉は美味しかったし、
炭素循環農法(=通称タンジュン農法って呼ばれる自然農)のキュウリは絶品だったし、
キッシーがトレーラーハウスを手作業で増築したカウンターバーや、
木材チップを敷き詰めた自称キャンプ場からの夕景は格別だったんだけど、
そうした「しつらい」や「もてなし」の一切は脇役に回っていた。
たぶんこういうことなんだろうね。豊かさって。
誰もがアタリマエのアリガタミを知っていた。
私は座の緩んだ10時頃に早々と一人退散したから
夕刻から始まった会が何時まで続いたのか知らないけど、
不思議で稀有な集いでした。
++
と、ここまでの話を聞いて
その場を覗いてみたかったと思うかしら?
行かなくて良かったと思うかしら?
たぶんきっと
よくわからなくてちょっとザワッとしてるよね。
(私も肝心な話をしていないし)
+++
肝心な話というのは「自然農」のことです。
キッシーのキャンプ場は、自然農の畑の一角に設えられているのです。
食と農業に関するテーマは、私もこれまでアレコレ取材しては
番組や記事にしてきたんだけど、Cにはあんまり話してないよね。
要点だけをかいつまむと、
1)農業は人類に恩恵をもたらしたけど、同時に環境破壊と戦争を引き連れてきた。
2)なぜなら農業は自然を改変し、土地に線を引く作業だから。
3)そこで、できるだけ自然を改変しない「自然農」が注目されつつある。
といったところが前提です。
ところがね、ここから先が複雑な大人のジジョーってやつで、
なかなかに政治的、経済的、哲学的な命題が絡んでくるのですな。
しかも、これは個々のライフスタイルそのものが問われるテーマだから、
一人一人の自発的な選択が求められている。
++++
そんなワケで、
もし理解してもらうとしたら私の拙い説明だと10年かかる話を一気に端折るけど、
おととい集まった27名のフィルターバブルズは皆、
少なからず「自然農」の作法を心得た者ばかりだったということなのです。
私なりに言い換えれば、
近代の国民国家やSNS社会のイデオロギーである「共感主義」から自立した者、
あるいは自立しようとしている者の集いでした。
それはどういうことかと言うと、
だいたいにおいて「自然」と共生するということは
複雑さ、分からなさ、曖昧さ、あてどなさ、、とつきあうことに他ならない。
だから、自分なりの信念は抱きつつも、
思い通りにならない偶発性を「受容」しないことには始まらない。
そうした作法を、それこそ痛いほど身に沁みこませなくては
生きぬく術も、暮らす場所も見つけることができないんだよね。
と毎度ながらつらつらと書き連ねてしまったけど、
ま、こんなふうな感想を書くのはそれこそ私の不器用さなんだと思う。
それを個性だと思って密かに誇りにしてはいるけど
決してマジョリティにはならないことも承知しているし、
そもそも「共感」されることを望んでいないから、ね。
取り急ぎ報告まで。
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